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2022.04.01

砂糖についてよくある質問

Q.砂糖は自然食品ですか?

砂糖は植物(さとうきび、てん菜)の成分として天然に存在するショ糖を抽出したもので、サッカリンやアスパルテームなどの人工(合成)甘味料と区別して天然(自然)甘味料と呼ばれます。
この概念は国際的にも通用していて、natural sweetener として、artificial(人工)、または、synthetic(合成) sweetenerと区別されています。
植物の緑の葉は太陽エネルギーを炭水化物の形に変えて蓄えています。なかでもさとうきびやてん菜は、その効率がよく、炭水化物をショ糖の形でたくさん蓄えています。
ふつうの砂糖は近代的な加工技術によって製造されていますが、農作物として栽培されたさとうきびやてん菜から、ほぼ純粋に近い形でショ糖をとリ出したものですから、砂糖は自然のめぐみがいっぱいの食品なのですね。

Q.原料糖はそのまま食べられますか?

食べられないことはありません。しかし、原料糖(粗糖)はさらに精製されることを前提として熱帯・亜熱帯の甘蔗生産地で製造されるもので、無包装のままで運搬・船積みされるのがふつうです。日本に輸入されている原料糖の場合も、さらに精製加工して食品加工業界や一般消費者の要望にあった製品をつくることを目的としていて、そのまま食べる食品としての衛生管理は行なわれていません。
そのため、甘蔗のくず、泥、小石、微生物などが若干含まれていることがあって、衛生面でお奨めできませんし、味にもくせがあります。そういえば、第2次大戦直後に主食の代用として配給された原料糖にダニがいて問題になった例もあります。

Q.グラニュー糖は上白糖や三温糖より甘くないのはなぜですか?黒砂糖はどう違うのでしょうか?

まず黒砂糖の説明をしましょう。黒砂糖は甘蔗から絞った汁をざっと不純物を除いて煮詰めた含みつ糖で、ショ糖以外の成分を15-20%含んでおリ、カルシウムが0.3%ほどあります。そのため刺激性の甘味が強く、含みつ糖の名のとおり甘ったるい強い匂い(糖みつ臭)があるので、かりんとうや黒あめなど糖みつの風味を生かしたい場合に使います。
グラニュー糖、上白糖、三温糖は精製した分みつ糖です。精製糖のなかでは、白ざら糖やグラニュー糖などのざらめ糖が最も純度が高く、三温糖が最も低いのですが、砂糖は純度が高いほど甘味がさっぱりし、糖みつ臭も消えます。三温糖には転化糖や灰分が多く含まれ、それが刺激になって甘さを強めます。ちょうどおしるこに一つまみの塩を入れると甘さが強く感じられるのと同じなのです。ですから、強い甘さとコクをつけたい場合には三温糖が効果を発揮します。
ショ糖100%に近い白ざら糖やグラニュー糖の場合は甘さが淡白でもの足りないくらい。それだけにコーヒーや紅茶のようなデリケートな食品の持ち味を生かしたいとき、色合いや風味を大切にする食品の場合には最も効果を発揮するのです。

Q.砂糖は栄養になりますか?

砂糖は甘いだけでなく、たいせつな栄養食品です。
私たちが生命を維持し、健康に活動するには、炭水化物、脂肪、たんぱく質、無機質(ミネラル)、ビタミンという、5つの栄養素をバランスよくとる必要があります。
砂糖は炭水化物の一種です。炭水化物と脂肪の主な働きは、からだにエネルギーを供給して活動を維持することですが、脳や神経のエネルギー源となるのは炭水化物だけです。また、炭水化物は、脂肪が体内で酸化して高いエネルギーになるのを助ける役目もはたします。
このように、砂糖はエネルギー源としてたいせつな役割をする食品です。

Q.砂糖を食べたら太りませんか?

砂糖は太り過ぎの原因にならないか、とよく言われます。
砂糖に限らず、エネルギー源になる食べものを必要量以上食べれば、余った分のエネルギーが脂肪となって体内に蓄積されて、太ることになるのです。
摂取する総エネルギーが適切な範囲内であれば問題は全くありません。
砂糖は、エネルギーが高いうえに吸収が早いので、疲労をすみやかに回復してくれる理想のエネルギー源。肥満と結びつけて考えられるのも無理のないことです。
肥満の原因にはエネルギーの摂取オーバーとエネルギーの消費不足が主なものとしてあげられます。食べるものを減らして栄養のバランスをくずしてしまうよりは、バランスよく十分食べて積極的にからだを使う方が、ずっと健康によいことは、今さら説明の必要もありません。スポーツに、労働に、家事に、大いに動くようにしましょう。

Q.白砂糖よりも色のついた三温糖の方が体のために良いのでしょうか?

白砂糖も三温糖も原料糖を精製してつくる精製糖です。
白砂糖も三温糖も主成分はショ糖で、これ以外の成分はきわめて微量です。三温糖は加熱回数が多いためにショ糖が分解して色がつくので、三温糖に多いといわれている灰分(無機質)も0.2%程度しか含まれていません。家庭で1人が1日に使う砂糖を20gとすると、全部を三温糖にかえても、含まれるカルシウムの量は約8mgで、牛乳1本の25分の1にしかなりません。
砂糖からカルシウムやビタミンをとろうというのは無理なことで、無機質やビタミン類は、それを多く含む牛乳、果物、野菜などからバランスよくとるのが合理的といえましょう。

Q.砂糖は酸性食品ですか、酸性食品はからだに悪いのですか?

砂糖は酸性食品とはいえませんし、また酸性食品がからだに悪いということもありません。
酸性食品というのは、食品を燃やして灰(無機質)だけにしたとき、酸性のもとになる物質(たとえば硫黄やリンなど)が多い食品で、一般に肉や魚などのたんぱく質食品や穀物がこれに属します。反対に、残った灰にアルカリ性のもとになるカリウム、ナトリウム、カルシウムなどの物質の多いものがアルカリ性食品で、果物や野菜などがそうです。
普通の白砂糖は純粋に近い炭水化物ですから、燃やせば水と炭酸ガスになってしまい、わずかに残る灰(0.02%以下)を分析するとアルカリ性になることもあリ、酸性になることもあります。さらに純度が高く、ほとんど灰分のない砂糖の場合は、酸性でもアルカリ性でもないまったく中性の食品になります。
ところで、食品が血液などの体液を極端に酸性にしたり、アルカリ性にしたりするでしようか。人間のからだには、体液のpH(酸・アルカリ度)を中性に近い一定の状態に保つしくみがあリ、たとえば肉類を食べて、体内にリン酸や硫酸ができると、これらは体内の重炭酸アルカリで中和されますし、体液がアルカリ性に傾けば、体内で生成される炭酸ガスと水で中和され、炭酸塩となって排出されます。
ですから、健康な人であれば酸性の食品を少々多く食べたからといって、血液が酸性化してからだに悪いということはありません。毎日の食生活で酸性食品といわれる肉類と、アルカリ性食品といわれる果物や野菜をバランスよく食べることは意味がありますが、ある食品を酸性食品だからといって排除することは科学的には意味がありません。

Q.砂糖は病気と関係がありますか?

糖尿病や心臓病を心配なさっているのですね。よく、砂糖をとり過ぎると糖尿病になるとか、心臓病になるといわれます。しかし、砂糖そのものが直接糖尿病や心臓病の原因となることはありません。糖尿病の場合は、すい臓から分泌されるホルモンのインシュリンが不足すると起こることが解っていますが、どうして不足するのかは解明されていません。遺伝的に糖尿病にかかりやすい体質の人がいること、この素質を持っている人に過食、肥満、運動不足、妊娠、内分泌異常などのさまざまな後天的な要因が重なると糖尿病になる場合があるということが判明しているだけで、砂糖と糖尿病が直接結びつくことは証明されていません。
心臓病についても、もう20年以上も前に“砂糖が心臓病の重要な原因”と発表されて、砂糖消費の多い欧米人に大きなショックを与えたことがありましたが、その後の研究でこの説は否定されました。
それでは心臓病の原因は何でしょう。遺伝、高血圧、高コレステロール血症、肥満、糖尿病、たばこ、生活環境などの要因が重なった場合に起こるといわれます。
健康な生活を送るためには、過食を避けバランスのよい食事と運動を心がけ、生活をゆっくり楽しむ心のゆとりを持つようにして平素の健康管理に十分気をつけることが何よりも大切なのです。

Q.砂糖はむし歯の原因になりますか?

砂糖がむし歯に無関係とはいえません。しかし、甘いものは楽しさや心の安らぎをもたらすものであり、子供に全く与えないのも考えもの。
むし歯については(1)歯質(2)食物(糖分)(3)細菌(むし歯菌)(4)菌が繁殖する時間の4つの要素が重なりあって起こるといわれています。
むし歯の予防には(1)食事やおやつは時間と量を決めて節度よく与える、(2)食べた後は必ず歯をみがく、を習慣づけることが一番効果的なのです

Q.私たちは砂糖をとり過ぎていませんか?

一般的にいって、砂糖のとりすぎということはありません。砂糖は食品分類上炭水化物に属しますから、その摂取量は炭水化物全体の中で考えていくべきで、砂糖だけを取り上けて「1日○g」と摂取量の上限を決めることはできないし、全く無意味なことといえます。
厚生省では、総エネルギーの少なくとも55%は炭水化物から摂ることを勧めています。1998(平成10)年の国民栄養調査によれば、日本人一人当たりの一日のエネルギー摂取量の平均は約2,000カロリー、うち炭水化物は271gですから約1,084カロリーということになり、全体の約54%にあたります。もちろん、砂糖もこの中に含まれますから、現状で決してとりすぎということはありません。
また、国際的にみても、日本の一人当たりの砂糖消費量はむしろ少ない方で、先進国の中では最下位です。

引用:「砂糖ミニガイド」精糖工業会
「sugar in school」お砂糖“真”時代協議会